病気予防(黒星病・黒点病)のための殺菌剤

 

5月に入り、早くも初夏を感じさせる気候となりました。暖かな気候と充分な日ざしが降り注ぐこの時期は、植物の生長期であると同時に、病害虫の発生時期でもあります。中でも、黒星病(黒点病)はバラなどの植物に見られる病気で、春から真冬までの間(4月~12月まで)が発生時期です。

黒星病とは、雨などによって葉の表面の保護膜がはがれ、そこから病原菌が侵入しておこる病気で、葉に淡褐色または黒色の斑点が生じ、葉は変色して落葉します。感染すると深刻な生育障害を受けることもあるので、殺菌剤を使用して対処します。殺菌剤には、病気を予防するための予防剤、病気の原因となる菌を殺菌する治療剤、両方の効果を兼ね備えた予防治療剤の3種があります。黒星病の場合は、定期的に予防剤または予防治療剤を散布して未然に感染を防ぐことが最も有効ですが、発生してしまった場合は、治療剤を使用します。

予防剤は、葉の皮膜を薬剤によって補うように、葉の裏表の全面を隙間がないように塗布します。使用する薬剤*によって変わってきますが、効果は約1週間~2週間くらい持続するので、発生時期の間は定期的に予防散布しましょう。

治療剤は、予防剤のように効果が持続しないので、散布間隔をあけすぎないように注意します。予防剤・治療剤の使用で対処するとともに、終わった株や落ち葉などはこまめに処分して土壌を清潔に保ち、病原菌の発生そのものを抑えることも対応策です。

 

*使用する薬剤の説明書をよく読み、使用方法・回数を守り使用しましょう。多種類を混合しての使用、同じ薬剤の繰り返しの使用は避けます。