9月となり、いまだ残暑は厳しいものの、もう少しで秋の気配も感じられるようになってくる時分です。春と秋は穏やかで安定した気候が続き、花壇での園芸作業もはかどる季節です。そして何より花の盛りの春を思いつつ、華やかな春花壇の準備をすることは大きな楽しみです。
秋に種をまき、春に花を咲かせ、夏前に枯れるサイクルをとるものを「秋まき一年草」といいます。原産地は地中海性気候地域のものが多く、湿度と暑さに弱い半面、乾燥と寒さに対してはある程度耐性があり、秋から冬の間でも緩やかに生長し、春の温度上昇にともなって一気に開花します。秋まき種の多くは発芽適温が低いため、気温が高すぎても発芽せず、かといって種まきが遅くなると、苗が寒さに耐えられず枯死してしまうことがあるので、播き時期の見極めはその年の気候の様子によって調整します。大体は9月下旬ごろがまき時期となります。
寒さに強い秋まき一年草ですが、零下ともなると冬を越せない場合もあるので、真冬には軒下に置いたり、マルチングをしたりと適宜寒さ対策をとりましょう。この初秋にかけて、たくさんの品種の種が出回るので、来る春の花壇をイメージしながら選んでみるのもよいでしょう。
*秋まき一年草の種の植え方のコツは「豆知識」にてご紹介しております。