ボランティア支援講座報告
しながわ中央公園 9月10日(土)
タニウツギ・オカメヅタの挿し木とヤブランの株分け編
講師:園芸家 奥峰子先生
夏の盛りも過ぎ、朝夕の空気には秋の気配も感じられるようになりました。8月下旬からは台風が連続して日本列島に接近・上陸し、関東でも不安定な天候が長く続いています。 講座当日は、長い間の天候不良が嘘のように夏本番さながらの暑い日でしたが、秋・冬講座の初回である本講座には、多くの団体に参加していただきました。
今回の講座は「タニウツギ/オカメヅタの挿し木」と「ヤブランの株分け」です。暑さが落ち着いてくる9月~10月は挿し木や株分けには適した時期なので、手順やコツを講座で学んでおくと、それぞれの活動花壇で応用することもできます。講座を通して株分けされた苗をそれぞれの花壇に植栽できることとともに、挿し木・株分けのテクニックを実践的に学べるのもこの講座の人気の理由でしょうか、講座の冒頭より皆さん準備を万端に整えられ、熱心に講師の奥 峰子先生のお話に耳を傾けていらっしゃいます。
奥先生より、挿し木をする植物の説明、手順のデモンストレーション、プロの園芸家ならではの多くのコツを詳しく説明していただき、各テーブルに分かれていざ実践です。
タニウツギとオカメヅタの挿し木の仕方は、どちらの手順もほぼ同じで、苗の状態をよく確認した後、葉を落として根を傷つけないように慎重に節を切っていきます。ただ、オカメヅタは葉が大きい分水を多く吸います。沢山の葉を残すと、その葉から水分の蒸発が進んでしまうので、大きい葉は半分位の大きさになるように切ります。タニウツギの葉はあまり大きくないので、光合成を充分にできる余力を残してあげるために葉は適宜残しておきます。こういった種や苗の状態によって変わってくる対応などを指導してくださるので、参加された皆さんもその場で素早く知識を吸収し、どんどんきれいな挿し木の鉢が出来上がっていきます。挿し木のポットが出来上がった後は、その後の管理についてアドバイスをいただき、挿し木の実践は終了です。
二種類の苗の挿し木の後は、株分けの講座です。今回のヤブランの株分け講座はデモンストレーションのみでしたが、挿し木も株分けも苗を増やしていく基本となる作業なので、 その後の順調な生長のためにも正しい手順が大事ですが、参加された皆さんはデモンストレーションでの奥先生の一つ一つの手順に真剣に学んでおられました。
今回はヤブランの株分けの実践を行わなかったので、代わりに斑入りアベリアを挿し木しました。アベリアは花期が長く、小さな鐘形の香り高い花を咲かせる低木です。丈夫で育てやすく、樹形も整えやすいので花壇に植栽しておくと、花の少ない真夏でも花壇を彩ってくれます。中でも斑入りのアベリアは葉自体の鑑賞価値も高く、いっそう花壇に映える種です。
奥先生より手順が説明された後、再度挿し木の実践です。皆さん手慣れた様子で作業を進めていきます。今回の講座では、タニウツギ、オカメヅタそして斑入りアベリアの3種の挿し木を実践したので、生長後の姿をイメージしながら、葉の大きさや広がりの違いなどの植物の特性を踏まえた挿し木の仕方のコツを体得されたようでした。前回の講座同様、植物にとっても作業をする人間にとっても楽になる工夫やコツを学ぶことができたと好評をいただき、講座は終了いたしました。
次回の園芸講座は、10月22日(土)に開催予定の「品川区みどりと花のフェスティバル」内での園芸講座*となります。まだボランティア支援講座にご参加されていない団体の皆さまもぜひ足をお運びください。
*詳細はイベント・講座スケジュールをご覧下さい。