ボランティア支援講座報告
東品川海上公園・屋上庭園 2月13日(土)
アナベルの挿し木編
講師:園芸家 奥峰子先生
今年初めてのボランティア支援講座となりました「アナベルの挿し木」講座ですが、 開催当日は、気温が約20度近くに上がり、春一番が吹くなど2月中旬にしては驚くほど暖かな春の気候となり、絶好の講座日和となりました。
今回、挿し木をしたアナベルは、北アメリカ東部原産のアジサイの仲間で、白い装飾花が手まりのような形で咲く可愛らしい花で、「西洋アジサイ」の一種です。アナベルは、日本原産のアジサイと違い、まだ芽が出ない冬の間に枝の一部を切り取り、それを土に挿して株を増やします。
園芸家・奥峰子先生のご指導の下、公園のアナベルの枝を剪定し、鉢に挿していく作業を実践しました。事前に先生から剪定の作業手順やコツなどについて説明をいただき、作業開始です。剪定の作業は、切り取った枝から丈夫な根が生育するように節を適宜残すこと、そして、残された株が翌年きれいな姿で咲くように株のバランスを考えながら行う必要があるので、参加された皆さんは、丁寧にそして慎重に進めていきます。挿し木のための枝が集まったら、次は鉢に挿す作業です。
芽が出るまでは余計な栄養分は必要ないとのことで、水はけのよい鹿沼土を鉢の下に入れ、3~4本ずつほど挿していきます。ボランティア支援講座では、いつもおしゃべりを交えて楽しく作業をするのですが、今回の講座では、皆さん枝の配分やバランスなどを考えながら真剣な面持ちで一生懸命、枝を挿していきます。次第に鉢を回収したり、落ちた枝を拾ったりと役回りができてきて、参加者全員が協力しあって沢山の鉢が完成しました。
奥先生から完成した鉢についての総評とアドバイス、花壇に移植した後の管理の仕方についての説明もいただきました。鉢は、根が出るまで成育を待ち、5月に予定されているボランティア支援講座「アナベルのポット上げ」の後、皆さんの花壇に植えていただけるようになるまで、公園でお預かりします。
その後は、オーナメンタルグラスの株分けの実践です。オーナメンタルグラスとは花壇の装飾用の草類のことで、線状のきれいな葉が風に揺れる様子が爽やかで、花壇のアクセントとして多くの公園で使用されています。
今回は、花の背景としても重宝する「ワイルドオーツ」の株分けです。のこぎりが必要なほど大きな株を大胆に切り分けて株分けをします。ここでは、男性の参加者の方が、力作業の株の切り分けを率先して行ってくださり、あっという間にたくさんの鉢が出来上がりました。作業がすべて順調に進んだので、講座の最後には奥先生のガイドで冬の花々が咲く庭園を見学しました。これからは暖かさも増し、草花の成育・開花期である春を迎えます。挿し木をしたアナベルと株分け後のワイルドオーツの成長が楽しみと皆さん笑顔で講座を終えられました。