春に備えての土づくり

世界各地からの植物の輸入が進み、耐寒・半耐寒性植物の種類も増え、昨今では、冬に植物が何も植えられていない花壇は珍しいものとなりました。しかし、多くの植物が休眠期に入る冬は、花壇の土を休ませ、春以降に苗を植え付ける土の準備に適している時期です。    
土の改良方法は、肥料や土の再生材を加えて簡単に行う方法も有効ですが、「天地返し」もよい土づくりに欠かせない方法として古くから行われてきました。

「天地返し」とは土を掘り起こし、土の表層と深層を入れ替える作業ですが、さらにその後、掘り起こした土を冬の厳しい寒さにあてることで土の再生効果が一層高まります。
これは、土の深層で越冬しようとしていた害虫や病原菌を冷たい外気にさらして駆除し、また、掘り起こした土の水分が凍結と乾燥の繰り返しにより、団粒化がすすむ作用を利用して通気性のよい土にすることが目的で行います。

深さ約30~40センチまでの土を裏返すように掘り起こし、土が充分に乾燥し、きめ細かく砕けるまでそのまま外気にさらしておきます。 鉢などでプランター栽培をしている場合も、空いた鉢の古い土を寒さにあてた後で、土の再生剤などを混ぜておくと、植物を育てる力のある土になります。

本格的な園芸シーズンである春の到来の前に、土に活力を与える土づくりもしておきたい作業の一つです。