春に向けての準備③ー土の酸度調整ー

3月となり、寒さも緩みはじめ、花満開の時期まであともう少しです。3月の初めには、本格的な春に向けて花壇の準備も整えていきたいですね。今年の冬は暖冬となり、真冬の時期でも、驚くほど高い気温になる日もありました。この暖冬のためか、すでに小さな芽が次々と出始め、開花のサイクルも通年より早まっているものもあるようです。防寒対策として施したマルチングなどは、季節の変化にともなう不安定な気候も3月中旬には落ち着いてくるので、取り外しましょう。

花壇の土の再生も、この時期にしておきたい作業の一つです。土の再生には、いくつかの工程がありますが、中でも、酸度の調整は専用の土を混ぜ込むだけで、簡単に行うことができます。日本の土は、ほぼ酸性土壌で、植物を育てた後の土は、更に酸性に傾いてしまいます。春植え植物などの順当な生長のためには、土を消石灰・苦土石灰を使用し、酸度を中和させて、植物が好む中性~弱酸性に調整します。

消石灰は、効き目が早いので一度に使用する量が少なくていいというメリットもありますが、土の中の微生物の減少を招くなどのデメリットもあります。苦土石灰は、少量の散布では効き目があまりありませんが、植物の生長に不可欠なマグネシウム分も含まれているので、規定の使用量を守って使用すれば、デメリットも少なく、使いやすいと言えます。花壇の土の準備として、「天地返し」「土の掘り起こし」*後、次の生長サイクルを迎える草花にためにも、酸度調整をして、よい土壌を準備しましょう。

*「天地返し」「土の掘り起こし」は、豆知識「春に備えての土づくり」「春に向けての準備①」をご参照ください。