季節のお花紹介(1月)

あけましておめでとうございます。新年は初春・新春ともいいますが、これは旧暦では新年にあたる頃に立春が重なることから、「春の始まり」とされていたことによります。現在では新暦を使用しているので、真冬に正月を迎えてはいますが、春を待ち望む気持ちは昔も今も変わりません。春を待ちかねる気持ちに呼応するかのように開花する早春の花々は、古くから人々に特別なものとして愛されてきました。

中でも福寿草は、お正月用の鉢花や寄せ植えの材料として、早くも年末から市場に出回りますが、自然環境下では、2月から3月頃にかけて開花期を迎えます。この開花期が旧暦の新年の時期と重なるとこから、「元日草」「朔(つい)日(たち)草」などの別名もあり、江戸時代から新春を祝う招福の花として親しまれ、同時代には多くの品種改良により、百種以上に及ぶ珍しい園芸品種が生まれましたが、残念ながらそのほとんどが途絶えしまいました。現在では、熱心な園芸家・愛好家によって一部の品種が収集・保存され、継承されています。

まだ降り積もっている雪をも押し上げて、鮮やかな色の花を咲かせる姿は生命力に満ち、新しい年の始まりを祝うにふさわしい力強さを感じさせます。

 

*写真提供:石田精華園様 http://www.ishidaseikaen.com